執筆講演<

執筆講演 - 建築コラム

自然と災害、エネルギーと建築について|建築の中におけるエネルギー問題をさらに考慮すべし


豪雨による洪水や土砂崩れ、強風竜巻、地震のみならず多くの自然災害が多発しています。人間の力ではどうすることも出来ませんが、対策により被害をより少なくする事は出来るかもしれません。

35年も前の事ですが、科学技術庁の関連財団に就職した先輩にエネルギーの重要性を説かれたことがあります。「これからは太陽熱を利用したエネルギーを活用すべきだ。君も建築に従事する者として大いに研究されたい!」と。

当時、建築家を目指し建築設計事務所に勤務していた私は、建築とはあらゆる分野の科学技術と芸術の調和を計り創られなければならないのだと考えていました。

当時先輩に勧められ購入した書籍「世界のソーラー建築実例集/1977発行」に、久しぶりに目を通しましたが、太陽光を利用した建物は1939年、日本でも1956年から建築されています。当時、今後のエネルギー危機問題も考慮されて太陽光利用は進み現在に至っています。

子供のころ(今から50数年も前)、我が家の屋根には父が設置した、概ね巾1.8m、奥行き0.9m(畳1帖)高さ30cmの檜造りで表面がガラスで覆われた箱があったのを覚えています。当時薪か石炭?で焚いていたお風呂でしたが浴槽には二つの蛇口があり一方は水、一方を捻ると屋根の箱、太陽熱で暖かくなったお湯が出ました。夕方早くにお風呂に入ったのを覚えています。夕方までは台所でもお湯が出ていたと思います。

私自身は1997年はじめて山王マンションで太陽光発電を導入した設計を行いましたが、当時と比較して現在は大幅に効率化されています。

風力発電、1987年に訪れたデンマーク・コペンハーゲン郊外の丘に大規模なプロペラファンの発電機がありました。日本では見たことがなかったので非常に衝撃を受けました。何基も並んだファンの音は結構大きいものでした。その後2000年頃、栃木県で見ましたが音はあまりしていないようでした。能力も含め改良されているのでしょう。最近、個人住宅に風力発電を取り込むのを見ましたが、小型で住宅程度であれば可能性が大です。開発も進み今後も期待出来るでしょう。

夢のエネルギー原子力~日本は被爆国として原子力発電の導入は平和利用としても難しいと思われていましたが、1950年代当時の改進党中曽根康弘氏の元で導入が研究検討され、その後、電力会社の労働組合委員長なども賛成して国策として1965年には茨城県東海村ではじめての発電が開始されました。その後スリーマイル、チェルノブイリ原発事故で信頼性は失われ、福島ではさらに事故後の諸問題の解決はいまだ遠く難問だらけです。やはり急激な化学反応には無理があるのでしょうか?原子力をどうするのか!世界にある原発数は日本の原発の10倍を超え、今や日本だけの問題ではありません。福島事故の原因究明と終息、核廃棄物の処理など、世界の原発も含め日本の科学技術者が中心となり、より早く解決してほしいものです。

今後のエネルギー方式については人間が制御出来る方法の採用利用が必要です。建築はあらゆる芸術技術の集大成です。今も進んできてはいますが、個々の建築物内でのスマートハウス化、省エネ、創エネ、畜エネ方式の採用や、まちづくりにおいても地域に応じた発電蓄電、地産地消のエネルギー開発(水力、地熱、波動力その他)をさらに加速普及させることが重要です。

建築に携わる若人たちも導入できる方式を研究し、微力ながらエネルギー問題にも貢献しようではありませんか。