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執筆講演 - 建築コラム

建築現場の話|・・・安全第一!工事現場に入るときにはヘルメットをかぶらないと入場出来ません。どうしてでしょうか?もちろん上から何か降ってきたら、困りますからね、人命を守るために~そうなのでしょうね。


昔から建設現場は3K「危険・汚い・きつい」と言われる職場は、もっとも危険なところです。命がけの仕事現場なのです。石原裕次郎の風速40メートルや黒部の太陽はかっこいいけどね!男らしい仕事かもしれないが、そんな映画の影響で私も建築業界に入ったひとりなのだが(笑)~。私は設計者なのでそんなきつい現場には一週間に一度程度行くだけだが・・・毎日、命懸けで工事に携わる職人さんは本当に大変だと思う。しかし設計者は先生だから、現場でも至れり尽くせり(苦笑)・・・仕事に関わるのは皆同じなのになぜ?

建築設計事務所に入所して一年目、大きな工事現場に行ったときの事です。現場会議の終わる夕方頃に「先生、もうそろそろ終わりにしませんか~食事に行きましょう。」私の父親と同年代のスーパーゼネコンの現場所長の言葉。私は設計事務所の所長がいるのかと思い後ろを振り向きました。いない!「先生って私のこと?」所長曰く「そうですよ、市村先生。」だって~これって変だなあと違和感を持ちました。設計監理者が「先生」と呼ばれるのは尊敬されているからではなく、権限を持っているからなのです。建築家は勘違いしている人が多いから困るね。でもあの時の蟹料理は美味しかったなあ(笑)。私は縫製工場の息子です。父は学歴にない末端の職人でした。仕事は遅いが丁寧でした。優秀でしたがそそっかしい母はいつも私に父のことを**にしていましたが、私は父を心から尊敬していました。もちろん母の事もです。

メーカーの会社の専務などへの接待をこどもの頃から見ていたので良く分かります。フランクロイドライト設計の帝国ホテルを知ったのも小学生低学年、こどもの頃だからね~帝国ホテルの料理は美味しかったなあ(笑)。

建築家って何だろう?私は職人だと思う。芸術家や本当に大先生だと勘違いしている人も大勢いると思うけどね!本当は設計監理者は尊敬もされてもいないし、職人さんには煙たがられる存在だと分かっているからね。監理に行って工事の不具合や手直し指示はゼネコン(建設会社)の所長にするからね、でも所長さんは職人さんに「俺は良いと思うが、あの設計屋がうるさいからね。直してよ!」・・・です。職人さんとほとんどつき合いがないのだから無理もないね。

だから私は独立してからは、現場に行くときには職人さんにお茶などを十数本持っていきます~缶ビールも二本。「ああ、重かったよ、飲んで」休み時間に職人さんの皆に渡します。「あれ、ビールが入っているよ、飲む?」誰も飲みません。「そうか、酒屋の間違えか?じゃあ俺が飲むよ!」と言っていつも飲みながら皆にこの建築に対する思いを語ります。30分の休憩時間はあっという間に過ぎます。職人さんとの絆はこのときに生まれます。だって設計の先生ではなく私も図面を描く職人なのですからね~

ある現場で大工職人と言い合いをしたことがあります。「これじゃダメだ。直してくれ!」職人曰く「これ以上出来ねいよ、だったらおまえがやれ!」私曰く「馬鹿野郎、おまえは大工だろう、俺は図面屋だ、紙には書けるが創るのはおまえの仕事だ。俺に出来るわけないだろう!」ケンカの強い拳法の達人の私は怖い者なしです(笑)。もちろん殴り合いにはならず、その後大工さんは良い仕事をしてくれました。「ありがとう!」心から本音でつきあえば心は通じるのです!やはり、仕事をするのも人、人、人なのです。皆で創るのですからね。

私は現場が大好きです!楽しいからね。でも危険と隣り合わせです。現場にはヘルメットや安全靴だけでなく事故を防ぐための対策工夫がたくさんあるのです。事故が起きないように多くの防止策が施されているのです。たとえば、高所作業には転落防止のために安全帯を着用します。昔は使わなかったから東京タワー等高所の建設時にも、鳶職人が命を落としたからね~ 建物の周りには安全ネットを張ったり、建設作業の重機(クレーンやシャベルカーなど)の周りには回転半径には入らないように注意のランプやカラーコーンを設置しています。

余談ですが、写真は十数年前から使っている私の安全靴です。いつも工事現場では建設会社が用意してくれるのですが、センスのない長靴なので、自分で用意したナイキのエアーに似たこの靴を履いていきます。もちろんつま先保護のためにスティールトップガード入りです。日常も履けるからね。雨の日や泥沼の現場では長靴を借ります。おんぶしてもらうわけにはいかないからね(苦笑)。ヘルメットや作業服は古い一般的なデザインですが・・・。