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市村克明の人生観

人生は出会いと別れです。人生観は出会いよって形成されるのではないでしょうか。

出会いと別れについて

動物もそうですが、ひとは群れをつくり多くの人と関わりを持ちながら生活します。そんな中で必ずあるのが出会いと別れです。

30歳弱で亡くなった吉田松陰先生、100歳まで長寿を全うし生涯を通して若人に影響を与えた平林廣人先生。名もなき民のひとりとして、関わっている友人知人、恩師や先人が如何に生きているか、如何に生きたかを学び、如何に生きるべきかを模索して生きることが大切〜私はそう思います。

また、古の時代から残っているものを通しての出会いのひとつが書物です。特に数千年、数百年も残っている書物は本当にすばらしいものです。このような出会いがあれば別れも決して悲しいものではありません。先人から受け継ぎ、後世の若人に引き継いでもらうことが大切です。

よき人の良きふみ読みて身と心 磨きゆかなむ命死ぬまで

学びて思はざれば則ち罔し 思ひて学ばざれば則ち殆し

恩師との出会い

私は東海大学入学と同時に望星学塾に入ることを許されました。学塾は松前重義総長が大学を設立する前、次代を担う青少年を育てるために開いた私塾が基となっています。内村鑑三先生の聖書研究会に参加、影響を受け開塾、大学の前身となったとのことです。塾生は、大学での授業のほか、寝食を共にし朝はデンマーク体操、夜は大学の先生方の講座を選択、勉強することになっていました。1年後、学塾を去った後は同志とともに土屋橋塾を開講、海洋望星塾の友人たちとは春夏冬の休暇時には一週間程度の合同合宿の学塾を開催、卒業後は毎年秋に2〜3泊での望星夏期大学を開講し数十年に至っています。友人との出会いも宝です。大学時代の特に思い出深い先生方について述べます。

岡村愛一(おかむら・なるいち)先生

出会いは入塾式の前夜、宣誓のリハーサル中でした。終了後、塾内の先生のお部屋にお邪魔しました。先生は文学部ドイツ語の講師ですが、学塾では一般教養講座を開催し、人生論、読書論、宗教論など大学生、人間としての心構え、勉強の仕方など幅広く基本的な事柄を教えていました。私はドイツ語の個人レッスンも受けさせていただきました。 先生は陸軍幼年学校、士官学校、陸軍大学校を卒業、昭和20年(1945)敗戦時には陸軍大佐、高級参謀でした。陸軍内では有名な歌人でもありました。敗戦の責任を強く感じ身の上は多くを語らず、戦後は公職には就かずに過ごしていましたが、縁あって東海大学で塾生と寝食をともにすることになったとの事です。

わかうどのさきさふ御代をいのりつつ散りて朽ちなむ枯れし木の葉と

穏和で他人には優しく、ご自身には厳しい方でした。 私は学塾で1年間を過ごした後、仲間と農家納屋の二階を借りて塾を続けました。先生は週2回夜教えに来て下さいました。 一般教養講座をより深く、近代日本史の研究、吉田松陰先生の留魂録・講孟余話などの古典輪読、兵術序説、戦争論、国防論など多くを学びました。連日早朝から夜遅くまで講義をお願いした静岡・清水での合同塾時に、脳血栓で倒れられ長い間病床に伏されました。

先生から学んだ教材は今もなお価値あるものなので、公開したいと思います。

大野峻(おおの・たかし)先生

日本文学科主任教授で専門は中国哲学です。教材は毎回ご自身で書かれたものを持参、草書はなかなか理解できません。岡村先生と同じく毎週来ていただき、論語、唐詩や和歌を学びました。漢詩を平仄に則り自作で詠むのも先生に学び、推敲を重ね創作するのも実践しました。

先生にいただいた「唐詩三百首詳析/台湾中華書局」は今でも私の教科書です。 私は子供のころ剣舞、詩吟を学びましたので、中国語で詩を唄うときの「柔」と詩吟の「剛」の違いには驚きました。私も中国語発音を学ぼうとしましたが、いまだに出来ません(苦笑)。詩を楽しむ方には中国音で学ぶことをお勧めします。


先生は「琴棋書画」を楽しまれ本当に君子でした。横笛を吹き、囲碁はアマチュア本因坊、書画は毎回自筆の教材を塾生皆の分を配りすばらしい腕前・・・まさに孔子です。 鎌倉の社寺では一般参詣者の出入り出来ない場所にもご案内いただき、ご説明を受けたのを覚えています。ご自宅の南側に小高い山があり南山と名乗っていました。三十数年間、亡くなるまで教えていただきました。

甲谷悦雄(こうたに・えつお)先生

岡村先生の親友で同じく陸軍大佐です。岡村先生が病床に伏した後に夏期大学の講師を引き継ぎ毎年教えていただきました。「岡村君とは性格は正反対だがどういうわけかウマが合った」〜とおっしゃっていました。

駐在武官として赴任中のソビエトロシアでの豪快さは今も語り継がれています。ゲーペーウー・ロシア美女のハニートラップを逆手に国家機密を収集、007ジェームズボンドのような男ではないでしょうか?陸軍参謀本部のロシア班長として日ソ中立条約構想を発案・作成・締結に尽力、その為に日本が米英との開戦に踏み切ってしまったと・・・それを悔いて戦後はソ連、中国などの共産諸国や、世界共産主義運動などの動きの研究分析を行い、その成果を毎月政府などに提言(KDKインフォメーション)されていました。


先生の国際関係講義は現状把握、時局の分析に大いに参考になりました。私の祖父、伯父は近衛兵でしたが、先生は近衛第一聯隊長でもありました。伯父からその人となり、豪快さは聞いていました。お亡くなりになるまで三十年間学びました。

岡村先生と同じく、敗戦の責任を悔いて生きた素晴らしい方でした。

平林廣人(ひらばやし・ひろんど)先生

日本のアンデルセンともいわれる方で教育者です。アンデルセン童話をデンマーク語から直接翻訳し紹介しました。北欧文学科の先生で松前重義総長の師のおひとりではないでしょうか。後藤新平、内村鑑三、新渡戸稲造とも親交があり、信濃木崎夏期大学(大正6年開講〜現在も毎年継続)を開き、若い学生を育てられました。

東海大学近くの「北辰塾」と名付けたお住いには多くの学生が訪ねアンデルセンやイエスキリストの人となり、デンマークのお話を拝聴しました。長野県安曇野のご自宅に帰られた後、先生を訪ね教えを受けたことは特に印象に残っています。100歳までお元気で若人に接しておられました。デンマークを旅した時、先生からお聞きしていたアンデルセンの人魚姫像やニコライ・グルントヴィの教会を訪ねたのは印象深かったですね。

信濃木崎夏期大学

和田 水(わだ・みず)先生

望星夏期大学では何度も講師をお願いしました。理化学研究所に勤務、でんぷん分離法や紅花からの天然色素の研究抽出は有名で日本における女性科学者のパイオニアです。その成果、女性の美しい口元〜口紅は先生の研究のたまものです。美しく甘くやさしく真っ赤なセクシーな色と香り〜生命科学科の教授です。科学者として、急激な化学合成には多くの危険性を伴うことや、自然界の観察、天然の重要性を学びました。

女性科学者のパイオニア 紅花にかけた生涯

渡辺 朗(わたなべ・ろう)先生

海洋学部の教授でキッシンジャーに学んだ国際関係の専門家です。海洋望星塾との合同勉強会で政治における国際関係の重要さを学びました。親交のある小松左京氏の小説、日本沈没は国土を失った日本民族がどのように生きるべきか、そのためには「平時からの国際関係の重要だ!」の持論は強烈でした。私は映画でしか見ていませんでしたがそのような意図がある事は全く知りませんでした。

後に衆議院議員、静岡県沼津市長としてご活躍されました。塾生の友人が先生の議員秘書となったので印象に残っています。総務、防衛副大臣などを務め現在ご活躍の衆議院議員の渡辺 周氏はご子息です。

若人への人生論、読書論などの提言です

若き女性のみなさまへ

「婦人の中に未来の人は眠れり。人文の将来は婦人の中に潜めり・・・婦人の使命とは何ぞ?人文を過去より受け継ぎ現在に広げらしめ将来に伝達すること之なり!。」國の次代を担う子供を育てるのは女性の使命であると述べている河村幹雄先生(明治19年〜昭和6年/地質学者・理学博士/遺稿・名も無き民のこころ)は男性社会の当時において、女性の天分を理解し女性の個性を尊重された方です。

恋は盲目〜男はともかく女性はそれでは困るのでパートナーとなるべき男性についてのアドヴァイスです。動物の「雄・おす」は「雌・めす」に求婚しますが、決めるのは雌です。雄は雌に受け入れてもらえないと関係を結ぶことは出来ません。しかし意中の雌と成し遂げると雄は他の雌に向かいます。困ったものですが、人間も動物ですから雄の性(さが)を有しています。とはいえ、人間女性にとっては受け入れられないでしょうね。ですが人間の男は、個人差はありますが理性が働けば抑制も可能です。桃太郎のような気が優しくて力持ち、男前ならもっと良い!貴女だけを愛するそんな男性を選んでくださいね。

次代を担うこどもを育てるために

もっとも読んで頂きたいのは和歌です〜百人一首は勿論ですが万葉集、古今和歌集、新古今和歌集などは素晴らしいものです。学び真似しながら自作の歌をおおいに詠んでください。素直に詠めば良いのですから。古事記や日本書紀には面白い物語(神話)がたくさんあるので読んでほしいです。原文で読む必要はありません。日本昔話や童謡(江戸時代からのわらべうた、大正、昭和、現代も含めて)、日本の童話やアンデルセン童話も感性を育てるためにも是非読んでください。

日本の母子健康手帳は世界中でお手本にされています。長年の集大成なのでしょうか。75年も前からあるのですから驚きです。副読本も含め必読書です。

さらに音楽は重要です。妊娠中は胎児にも聴かせてください。やさしい音楽が良いと思います〜やはり童謡や子守歌ですね。あまり難しい音楽はどうでしょうか?胎児がびっくりしますからね(笑)。母親のための人生論などの書物もたくさん出ていますが、哲学的で難しい本はあまり読む必要はないと、私は思います。

乳幼児期は母親の愛情をもって

愛情を持って子どもに接してください。ご自身のお子さんをお持ちの方はもちろん、そうでない方、保育園や幼稚園の先生方にもお願いします。ご自分の子と思って接してくださいね。

乳児期(0〜3歳位)には〜「三つごの魂、百までも」感性豊かなやさしいひとを育てるには出来る限り子どもにやさしく接してください。日本の童謡・日本昔話(神話や民話)、童話・絵本を反復し聞かせてあげてくださいね。ひと月もすると眼も見えるようになります、そっと抱きながら子供の目を見てやさしく子守唄を歌ってください。母親の声は胎児の時からわかります。日本に伝わる昔からの唄を歌いながら母親も眠くなるような日本の子守歌は素晴らしいものですね!子供が驚き泣いてしまうような西洋の子守歌はどうでしょうか?(苦笑)。感性豊かな子にするためには子どもの心に響く音楽は大切です。 歩くのが遅くても言葉が遅くても気にすることはありません!一生歩かなければならないし話さなければならないのですからね(笑)。

幼児期(3〜6歳位)はさらに創造力と思考力が芽生える時期です。眼が見えるようになる乳児期には勿論ですが童謡童話に加え絵本も大切です。言葉(音声)や画像(視覚)を吸収する時期ですから。創造性豊かな子供に育てるためには積み木遊びや絵を描くこと、動植物も含め自然により多く接することが大切です。子供は遊びの天才です。学ぶべきは天然です。出来る限り自然に接してください。

日本昔話、アンデルセン童話(はだかの王様・醜いアヒルの子・マッチ売りの少女・人魚姫など)のほか世界の昔話(旧約聖書の物語やギリシヤ神話・グリム童話やイソップ逸話など)・百人一首・絵本などもたくさん、図鑑なども見せたいですね。お話や絵本はたくさん読んであげてください。テレビやビデオ、インターネットなども活用してください。 「良妻賢母・賢妻良母」子供は勿論ですが妻としても夫を大切にしてくださいね。 男性は女性の使命を理解し、あたたかく守ってください。

小学生の時期には基本の反復練習を

一日の三分の一は学校で生活します。基本的には学校での勉強をバランスよく理解すれば良いでしょう。「読み書きそろばん」が基本ですから。感性と理性を高めるためには、「書道・絵画・音楽」を学習してください。世界中で文字が芸術なのは「書」だけですから筆を使って習字をたくさん!さらに学ぶべきは、孔子の論語と百人一首、日本の歴史です。マンガも含め子供のためのものが数多く出ていますから暗唱出来るほど繰り返し学習させてください。お父様お母様と輪読するのもよいでしょう。

銀河鉄道の夜、風の又三郎・二十四の瞳・アンデルセン童話(167編あるので数多く)は読むべきです。低学年の時にはたくさん読んであげてください。そのうち自分でも読むようになります。中高学年期(9〜12歳)には特に人物伝記も必読書です。将来の参考にもなります。

中学生、高校生の思春期には

多感な少年少女〜悩みも多く、反抗期、男/女を意識する時期です。 受験もある中ですが友人をたくさんつくってください。 百人一首や和歌、論語は引き続き学んでください。 中学生時期には、野菊の墓・潮騒・伊豆の踊子などの恋愛小説・次郎物語や文学書など。 高校生の時期には、山椒大夫・舞姫・友情・論語物語・日本の歴史・世界の歴史・中国の歴史は必読書です。中学高校時代は年号や事象のみにとらわれがちですが、歴史は当時の時代背景と歴史上の人物がどのように対処したのかを学び現在や将来のために参考になります!

男女ともにいじめにあったならば命懸けで反撃する。複数からのいじめの場合にはボスをやっつける。怖くてそれが出来ない場合には逃げる〜親や教師、友人に助けを求める。自分の命は粗末にはしない。絶対にダメ!君たちにはこれからの素晴らしい人生が待っているのです。悩みのある方は私に相談してください。私と私の仲間たちは必ずあなたを守ります!あなたが自立出来るお手伝いをします!

青年期(18歳〜)から社会に羽ばたく時期、生涯を通して

社会に出て活躍する前段階です。これからの日本を担う第一線で活躍する基本を学ぶ最も重要な時ですし楽しい時期でもあります。勉強、仕事、恋愛、結婚、そして次世代を担う子育て、充実した毎日でしょう。人間関係もより多く広くなり、あらゆる分野の書物にも接する時ではないでしょうか。

インターネットやDVDなどが充実、音声映像ともにあらゆる情報に接することが出来、前世代の人たちにも出会うことが簡単に可能となりました。自分に合った情報を選定してください。

・大学でいかに学ぶべきか(増田四郎)・きけわだつみのこえ・代表的日本人/後世への最大遺物(内村鑑三)・余の尊敬する人物(矢内原忠雄)・茶の本(岡倉覚三)・武士道(新渡戸稲造)・西郷南州遺訓・善の研究(西田幾多郎)・幸福論(三谷隆正)・職業としての学問(マックス ウェーバー)・古事記・日本書紀・万葉秀歌(斎藤茂吉)・万葉集・古今和歌集・新古今和歌集・百人一首・ 明治天皇御製・昭和天皇御製・自註鹿鳴集(会津八一)・加藤楸邨句集・論語・孟子・大学・中庸・老子・唐詩選・孫子・ブッダのことば・歎異抄・新訳聖書・旧約聖書(子供のためになる物語もたくさん含んでいます)。 人物としては、西郷隆盛・橋本左内・吉田松陰・勝海舟・藤田東湖の著作など限りがありません。


最後に

書物は原書で読むのが原則ですが、世界中の言葉をすべて理解する事は出来ないので訳本はそれなりの訳者を選んでください。日本人ですからせめて日本の書物は原文で読んでほしいですね。古語辞典、注釈解説付きの本もありますしネットで検索も出来ますから是非挑戦してください。

自国の言葉である母国語は最も重要です。世界の中には、他国を武力で制圧し、その国の言葉を取り上げて自国の言葉を強要して、その母国語を使わせないなどの事例が歴史上たくさんあります。しかし、今日ではインターネットや衛星放送などが発達し、世界的視野に立って、物を見、考える時代になってきています。こうした中、地球規模で共に生きるためには、人生観、世界観そして公正な歴史を学び、日本人としての自覚を持ち、日本らしさを根幹におき、日本語の美しい言葉を大切に、日本の将来および世界のために活躍する人が多く出ることを希望します。

それぞれの時期に勉強して欲しいことを紹介しましたが、青年男女にとってはご自身を磨くために、そして次代の子供を育てるためにも上記を参考にさらに学んでください。