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調査・鑑定・コンサルティング

N工場無確認申請建築物の是正

所在地神奈川・愛川 構造S 1F


N工場は建築内装関係製品を製造している大手会社である。広い敷地には多くの建築物があるが、無確認(申請をしていない)と思われる建物が12棟もある。無確認建築物は残せるのか?適合はしないが残したい建築物はどうなるのか?

建築を建てるときには建築確認申請が必要です。建築基準法、消防法や関連する法令に適合しているかどうかの審査が必要で確認済証が発行されてはじめて建築が可能となるのです。設計図書通りの適正な工事が行われ、完了検査を受けて合格し検査済証を受けると建築物を使用することができます。

消防法は事件や事故が起こるたびに厳しい基準が適用され新しい法令に遵守するよう是正が求められます。建築基準法も時々改正はされますが、建築時の法令に適合していれば原則、最新の建築基準法に適合していなくても一般的には是正はしなくて良いのです。これを既存不適格建築物といいます。これは消防法による是正に比べて建築物の是正には多額の費用負担を要するからではないでしょうか?しかし度重なる大規模な地震による被害が多発し放置できないため、建築物も地震に対して安全性を確認して補強などを義務づけるようになりました。皆様もご承知の耐震診断と耐震設計、補強工事といわれるものです。しかし、無確認(確認申請手続きをしない)で建てた建物はどうでしょうか?原則、取り壊すしかないのですが、行政庁と度重なる協議のうえ、残すことができた事例をご紹介しましょう。すべてが残せるわけではないが、今回の例は画期的で大きな光となるのではないでしょうか。

N工場は80000u(24200坪)の敷地内に35棟延べ27500u(8320坪)の工場である。無確認建築物の内2棟はどうしても残したい〜との依頼でした。他の設計者や工事業者(耐震補強工事を行っているスーパーゼネコンのS建設も含め)解体撤去するしかない!とのことでした。現場調査の後、私も難しいかなあ〜と思いましたが、何とかなりませんか!との依頼を受け建築法規や現場精査を行い、特定行政庁の建築主事とも協議を重ね10ヶ月の期間を要しましたが、当時の法令に適合している事を証明し残すことに成功しました。現行法に適合させるためには、若干構造補強なども必要でしたので改修設計もしましたが実施されたかどうかは分かりません?取り壊して新築するよりも私どもの報酬も含めコストも大幅に安価ですみました。